油でギトギト、グリーストラップの改善策

グリーストラップとは

レストラン、ホテル、食堂、給食センターなどの厨房排水は、下水道に直接流すことは禁止されておりグリーストラップという装置を設置することが法律によって義務づけられております。これは、厨房に含まれる食べ物のカスや野菜の切りくずなどが下水に流れるのを防止したり、大量の油が下水に流れるのを防止する為に、設置されております。

臭いグリーストラップよ、さようなら。

飲食店で働いた経験があることなら、ご存知だと思いますが、このグリーストラップはとてつもない悪臭の元。

さらに、ハエやゴキブリなどの温床になったり、臭い、汚い、気持ち悪いなどのオンパレードでとっても嫌がられる存在です。

また、毎日に掃除を行えば良いのですが、業務の忙しさに加えて衛生面の悪さから敬遠されがちで、思うように掃除が行き届かないのが現状のようです。

そこで、最近注目されているのが、オゾンです。オゾンは、グリーストラップの悪臭・汚れに対して強力に作用致します。下記写真は、オゾンによって、グリーストラップの油脂分を分解したものです。

  • オゾンあり
  • オゾンなし
  • オゾンなし

このグリーストラップにはスカムといわれるものが表層に浮かび、とてつもない悪臭を放ちます。これは、排水に含まれる油脂分などが、乳濁したり微生物によって分解された残り成分をいいます。オゾンはスカムの元になっている油脂分を分解する作用を持っております。

このグリーストラップにはスカムといわれるものが表層に浮かび、とてつもない悪臭を放ちます。これは、排水に含まれる油脂分などが、乳濁したり微生物によって分解された残り成分をいいます。オゾンはスカムの元になっている油脂分を分解する作用を持っております。

オゾンによる油脂分解原理とプロセス

オゾンは、グリーストラップ中の油脂分と結びつき、その化学的構造を、下記のように、段階的に破壊し、最終的に、二酸化炭素と水になります。グリーストラップをどこまで改善できるかは、オゾン量、オゾンとの反応時間(流量)や油脂量により、大幅に異なります。

オゾンによる油脂分解原理とプロセス図

  グリーストラップの現状 オゾンによる改善ポイント
悪臭 油脂分、食材残渣からでる臭気がひどく、厨房内、場合により、近隣にも影響を及ぼすことがあります。 オゾンパワーで、悪臭を強力に分解!
害虫 臭いに集まる害虫=ゴキブリ、ハエがグリーストラップ内に繁殖し、厨房内の衛生環境が悪化します。 悪臭が解消される為、臭気に集まる害虫=ゴキブリ、ハエが寄り付かなくなります。
汚れ 害虫や悪臭がひどい為、丹念に行うべき清掃が、お座なりとなり、グリーストラップ内に油脂、ゴミが滞留しつづけ、汚染が拡大します。 油脂分を、オゾンパワーで破壊!先ず、油が泡状に変化し、次に、エマルジョン化(乳化)し、水溶性となります。 その結果、グリスト内の、ベタベタした汚れが大幅に改善されます。 (油脂量の多寡で分解程度は変動します)
詰まり 油脂分の流失により、排水管詰りを引き起こし、厨房内に汚水が溢れ出すことがあります。 オゾンに反応した油脂分は低分子化し、再固形化しません。排水管詰りを低減します。
環境 流失した油脂分は、下水道、処理場に負荷をかけ、また、河川の汚染を引き起こします。 オゾンに反応し低分子化した油脂は、自然界のバイオ菌による分解を促進し、自然環境に優しい水質になります。
時間 ベタベタした油脂、残渣が多い為、自家清掃の場合、清掃に、相当な時間を要します。 オゾンで、サラサラした水質に変わります。
コスト バキューム、高圧洗浄費用が、ランニングコストとして発生。また、高圧洗浄の反復により、排水管の破断事例もあります。清掃に要する人件費も無視できません。 オゾンの原料は、空気です。ランニングコストは、電気代だけ。バキューム回数が減少~費用削減も期待できます。

このように、グリーストラップにオゾンをエアレーションすると(曝気)、油脂分が分解されていきます。そして、悪臭が低減しますので、悪臭に誘因されるゴキブリやハエなども減少します。さらに、詰まり防止、コスト削減、清掃時間の短縮など様々な効果が生まれます。