オゾンには、ゴキブリなどの害虫を忌避する作用があると言われております。
しかし、忌避であって殺虫効果は全くありません。何故、忌避効果があるのか?それは、害虫が生成するフェロモンなどを、オゾンが分解するからであると言われております。ゴキブリは、直腸壁のレクタルパッドという組織で集合フェロモンを生産し、糞と一緒に排出します。チャバネゴキブリの集合フェロモンの主な誘引因子が
- ①1−(N、N−ジメチルアミノ)−2−メチル−2−プロパノール
- ②トリメチルアミン
- ③ジメチルアミン
であるといわれております。さらに、集合フェロモン中のステロイド配糖体が定着因子として働き、ゴキブリは誘引された場所に落ち着きます。これらの物質を、オゾンは分解する作用があります。
殺虫剤と違い、薬剤の残留なし
以前ホテルでの厨房にて、オゾンを用いて除菌・脱臭を行った後、今まで出現していたゴキブリが、その日を境に激減したと大喜び。しかし、その喜びもつかの間。何と、同じフロアーの宴会場やロビーに大量発生したのです。単純に外の場所に移動しただけです。これは、オゾンは単なる忌避であり、殺虫力がないことを証明しております。
蟻も同じように集団フェロモンで行動します。蟻は蟻道という仲間が分泌したフェロモンの後を辿ります。これは先に仲間が辿った=安全な場所と認識し、フェロモンの後を辿る習性をもっております。ゴキブリも同じように、仲間が分泌したフェロモンの場所を安全な場所と認識する性質を持ちます。中古のマンションと新築のマンションでは、圧倒的に中古のマンションが出現率が高い、と思いますがこれは単純に、ゴキブリのフェロモンがあるかないかの違いであると言われております。
オゾンを上手に利用すれば、ゴキブリの忌避に有効である。特に、ゴキブリが発生したら致命的である、飲食店などのサービス業にはお勧めです。オゾンは有人空間ではご使用なれませんが、閉店後などの時間を利用して定期的に利用すれば、ゴキブリの忌避には繋がります。さらに、殺虫剤と上手く併用すれば、効果はさらに上がるでしょう。
しかし、あくまでも忌避に過ぎず、殺虫ではありませんので、ご注意を。