塩分にも、アルコールにも、薬にも適正な量があるように、オゾンにも適正な濃度というものがあります。オゾン濃度が高いほど脱臭・除菌効果は上がりますが、半面、人体に対して危険な濃度になってきます。
では、適正な濃度はいくつなのでしょうか?
O3ウェブでは、室内空間オゾン濃度0.1〜1ppmをお勧めしております。0.1ppmの濃度があれば、脱臭・除菌効果が充分に発揮されます。
また、人体に対する濃度でも、日本産業衛生学会より、8時間/週 40時間/週以内であれば人体に対する影響はなしとの評価基準を発表しております。臭いが強い、短時間で脱臭、除菌を行いたい場合のみ、最大濃度を1ppmを目安として使用して下さい。
但し、くどいようですがオゾン発生中は入室出来ません。
オゾン濃度を知るには。
オゾンの測定原理でお話ししたように、オゾン濃度には色々な測定方法がございます。
しかし、オゾン測定器を購入するには、当然、イニシャルコストが発生します。また、定期的なメンテナンス、消耗品などでランニングコストがかかります。
そこで、簡単にオゾン濃度を把握出来る方法があります。それが、下記換算式です。
●提案に当たり、どの程度の濃度になるかを予測するのに下記のオゾン濃度計算式を用いて理論値を求めることが出来ます。その値を基に選定機種、台数の検討を図ります。
オゾン濃度(ppm)=オゾン発生量(mg/h)÷容積(m³)÷2.14
※2.14はオゾンの分子量を物質量で割ったもの。オゾンの分子量48を標準状態の22.4Lで割った値。
●この式で用いるオゾン発生量(mg/h)は1時間当たりの発生量です。よってオゾン濃度計算式により算出された理論値は、オゾンを発生させてから1時間後の空間濃度です。
しかし、実際には、a)室内換気、b)反応物(雑菌・臭気物質)、c)自己分解などによりオゾン濃度は、臭いが弱い場合は1/2、臭いが強い場合は1/3を選択して下さい。
推測値=理論値の1/2〜1/3
程度で平衡状態になり、危険濃度になることはありません。
●容積の求め方
室内面積(m²)×天井高さ(m)=室内容積(m³)
●例1)オゾン発生量300mg/hを100m²(天井高さ2.5m)の空間で使用した場合
お部屋の容積=100m²×2.5m=250m³
理論濃度=300mg/h÷250m³÷2.14=0.56ppm
推測値=0.56ppm×(1/2or1/3)=0.18~0.28ppm
●例2)オゾン発生量20mg/hを10坪(天井高さ2.7m)の空間で使用した場合
部屋の容積=(10×3.3)m²×天井高(2.7)m=約90m³
理論濃度=20(mg/h)÷90(m³)÷2.14=約0.1ppm
推測値=0.1ppm÷(2〜3)=0.03〜0.05ppm
●オゾン濃度の決定目安
0.1〜1.0ppmを目安にして下さい。やむを得ず、有人空間で使用する場合は0.01〜0.06ppmの範囲内で使用して下さい。しかし、大原則!オゾンは有人空間で使用してはいけませんで触れました通り、有人空間で使用することはできません。
■ オゾン濃度換算表
![]() |
5m² | 10m² | 20m² | 30m² | 40m² | 50m² | 100m² | 500m² | 1000m² | 5000m² |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1mg/h | 0.012 | 0.006 | 0.003 | 0.002 | 0.0015 | 0.0012 | 0.00062 | 0.00012 | ||
10mg/h | 0.12 | 0.06 | 0.031 | 0.02 | 0.015 | 0.012 | 0.00623 | 0.0012 | 0.00062 | |
50mg/h | 0.623 | 0.3 | 0.15 | 0.1 | 0.077 | 0.062 | 0.03 | 0.0062 | 0.0031 | |
100mg/h | 1.2 | 0.6 | 0.3 | 0.2 | 0.15 | 0.12 | 0.062 | 0.012 | 0.0062 | |
200mg/h | 2.49 | 1.24 | 0.62 | 0.41 | 0.311 | 0.249 | 0.12 | 0.024 | 0.012 | |
300mg/h | 3.7 | 1.8 | 0.9 | 0.62 | 0.46 | 0.37 | 0.18 | 0.037 | 0.018 | |
500mg/h | 6.2 | 3.11 | 1.5 | 1.03 | 0.778 | 0.62 | 0.31 | 0.062 | 0.031 | 0.0062 |
750mg/h | 9.3 | 4.67 | 2.3 | 1.55 | 1.16 | 0.93 | 0.46 | 0.093 | 0.046 | 0.009 |
1000mg/h | 12.4 | 6.23 | 3.1 | 2.07 | 1.55 | 1.24 | 0.62 | 0.124 | 0.062 | 0.012 |
2000mg/h | 24.9 | 12.46 | 6.2 | 4.15 | 3.11 | 2.49 | 1.24 | 0.249 | 0.12 | 0.024 |
10000mg/h | 124.6 | 62.3 | 31.1 | 20.76 | 15.57 | 12.46 | 6.23 | 1.24 | 0.62 | 0.124 |
12000mg/h | 149.5 | 74.76 | 37.3 | 24.92 | 18.69 | 14.95 | 7.47 | 1.49 | 0.74 | 0.149 |
※天井高2.5mで計算
※適正なオゾン濃度の目安は0.1~1ppmの範囲です。
※推測値は理論値の1/3にて設定
この計算式や換算式を用いれば、適正なオゾン濃度のスペックがわかるはずです。