緑膿菌

緑膿菌とは

緑膿菌(学名:Pseudomonas aeruginosa)とは、自然環境、生活環境に広く分布、生息する常在細菌の一種です。私たちの身の回りには、キッチンやお風呂の排水口などの水回りにも多く見られる菌です。アシネトバクター同様に、健康な人には全く影響しない菌ですが抵抗力が落ちている場合には、腸内などに持っていた緑膿菌が血液中に侵入して「敗血症」を引き起こしたり、「肺炎」などを引き起こし、死亡する場合があります。しかし、緑膿菌の感染を防ぐことは、現実的に回避する事が難しく、不可抗力的な感染症と考えられております。そんな厄介者である、緑膿菌に対しても、オゾンは効果があると言われております。下記は、オゾンによる緑膿菌への除菌効果を示す試験結果です。

オゾンによる除菌結果

■目的

オゾンが緑膿菌に対して除菌効果があるか試験を行った。

■試験方法

供試微生物

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NBRC)より購入し、SCD液体培地により増殖させた微生物を使用した。
緑膿菌;Pseudomonas aeruginosa NBRC13275 (ATCC9027同等)
直径9cmの培地に約105個のコロニーを形成するように生理食塩水を用いて調整した後、ガラス棒を用いて塗抹した。

■培地

普通寒天培地(日水製薬製)を使用した。

■試験機関

株式会社メイプルバイオラボラトリーズ

■試験手順

①縦、横3.6m、高さ2.7mの部屋の一部をビニールカーテンで仕切り、約25立方メーターの容積を持つ空間を設定した。窓はビニールテープで目張りをした上、ビニールカーテンを貼り空気の流通を防ぐようにした。出入り口は硝子ドアーで、その外側に約半畳分の前室が設置されており二重扉になっているため発生したオゾンガスの漏れは最小限に止められる。

②部屋の対角線上の角部分2ヶ所及び中央部分の床に供試菌を塗抹した培地をそれぞれ5枚ずつ置き、一端にオゾン発生装置(ActivO-J)を設置した。

③オゾン発生装置を作動させると同時に各培地のフタを取り供試菌にオゾンを暴露した。
④5分、10分、15分、20分、30分ごとに各位置3箇所の培地1個ずつにフタをして回収した。
⑤回収した各培地を35℃のインキュベーターで2日間培養した後、各培地に増殖したコロニー数を計測した。

■オゾン濃度

所定のオゾン暴露時間に培地を取り出す時、オゾン濃度をガステック検知菅(18L及び18M)を使用して計測した。
測定結果を以下の表及び写真に示す。

  0分 5分 10分 15分 20分 30分
位置2 0 5ppm 10ppm 18ppm 20ppm 20ppm
■測定結果

所定のオゾン暴露時間に培地を各位置から取り出し、35℃で2日間培養した。得られたコロニーを計数した結果を以下に示す。

コロニー数 0分 5分 10分 15分 20分 30分
位置1 >105 >104 3.6×103 2.3×103 1.9×103 1.4×103
位置2 >105 >104 3.0×103 1.6×103 1.2×103 9.4×102
位置3 >105 >104 3.1×103 1.5×103 1.2×103 5.8×102
■考察

緑膿菌にオゾン発生装置(ActivO-J)を用いてオゾンを暴露した結果、15分以内に100分の一の菌数に減少させることが出来た。